マーケティングブログ

【保存版】実務に役立つリサーチ・調査[基礎]
~調査の使い方・使い分け~

実務に役立つリサーチ・調査_基礎_調査の使い分け方

ネット調査の普及により、価格も下がり、スピードも速くなり、【調査・リサーチ】が実施しやすくなりました。調査会社に依頼しなくても、ネット上で自ら行える「セルフリサーチ」といったサービスも増えてきました。また最近は、PR・パブリシティやプロモーション目的にも調査データが活用されているケースも目にします。皆さんのリサーチ利用機会も増えたのではないでしょうか。

皆さんは、どのようなときに、どのように調査をお使いでしょうか?

マーケティング実務の様々なシーンで、いろんな使い方ができる【調査・リサーチ・アンケート】。その使い分け方法、組み合わせ方法についてまとめてみました。新たな発見、参考になりましたら幸いです。

「情報やネタ収集・探索」と「検証」 2つの目的

リサーチは大きく分けると、「情報やネタ収集・探索のため」「検証・判断のため」の2つの目的に使います。

情報やネタ収集・探索のためのリサーチ・アンケート

マーケティング上のさまざまなアクションは、まず「仮説」を元に企画などを立てて行います。新たに商品・サービスを企画するとき、商品を改善したいとき、新しいターゲットにアプローチしたいとき等々、【仮説構築】が必要なシーンはたくさんあります。

でも、市場の状況や、ユーザの行動、意識や考え方、困っているシーンなどについて、具体的な状況がわからなかったり、ターゲットに近そうな人や企業が身近にいなかったり、ネットでデスクリサーチをしても必要な情報、信頼度の高い情報、最新の情報が入手できないなど、適切な「仮説」が作れないときがあります。

そのようなときには、【調査】を上手に活用することで、「当てずっぽう」や「思いつき」、「思い込み」による失敗やリスクを軽減できます。

検証・判断のためのリサーチ・アンケート

仮説を立てた後に、その仮説の検証を行うときにも【調査・リサーチ】が活躍します。

立てた仮説に対して、どのくらいの人が、どのくらいの強さで反応するのか。立てた仮説はどのくらい確かなのか、【量】の検証をすることで、その先のアクションに対する「意思決定」がしやくなります。

例えば、ターゲットセグメントの規模が明確になる、商品・サービスの受容性がわかる、優先すべき商品スペックが明らかになる、有効なプロモーション方法や訴求ポイントが選択できるなど、データを元に商品企画やターゲティング選定、プロモーション企画・内容などの具体アクションについて、さまざまな判断・決定を行えます。

特に、大きな投資が必要だったり、全国規模で展開するなど、影響範囲が大きいほど、事前に数値が確かめられると企画・計画が立てやすくなり、また、成功の確率も高まります。もちろん、実態との乖離は必ず発生するので、絶対的な予測は難しいですが、少なくとも失敗やロスの確率を低減できます。

目的に応じて、手法を上手に使い分けたり、組み合わせる

調査は、「情報やネタ収集・探索のため」と「検証・判断のため」の2つの目的に活用できるというお話をしました。

また、調査手法には大きく分けると【定量調査】と【定性調査】の2種類があります。

多くの人に回答してもらい、「量」をはかる【定量調査】

ネット調査、郵送調査、電話調査、会場調査(CLT)等、さまざまな種類があります。対象者の数が多ければ多いほど、データの精度が高まります。

気持ちや意識などを深堀し「質」や「インサイト」を得る【定性調査】

グループインタビューやパーソナルインタビュー等のインタビュー形式の調査です。対象者一人一人にできるだけ詳しく背景や状況、行動、意識などをヒアリングします。

これら【定量調査】と【定性調査】を目的に応じて使い分けたり、組み合わせることで、より有用な情報を効率的に入手することができます。

ケース別にご紹介します。

<ケース1>
そもそも《ニーズ》に関連する具体的な情報がほとんどない

情報が不足していて仮説を作りたくても作れない。このような場合は【定性調査】を使います。グループインタビューやパーソナルインタビューを活用し、ニーズが発生するシーンや背景、理由、ユーザの具体的な行動や態度、意識、価値観等々の具体的な情報や生の声をヒアリング。ニーズやターゲットのパターンやバリエーションが抽出できると、仮説の組み立てに役立ちます。

どういう情報があれば、仮説が作れるだろう…と逆算しつつ、取得する情報を狭めすぎずに、できるだけ広めに取得しましょう。想像していなかったところで、思わぬ情報を得ることがあります。

<ケース2>
(ケース1の定性調査の前に)市場やユーザ、商材について概要を把握したい

定性調査で深堀をする前に、市場の状況をざっと把握したい、ターゲットになりそうな層のあたりをつけたい、、という場合は、定性調査の前にわかる範囲で「生活実態・利用実態調査(U&A調査)」といった【定量調査】を行います。

「生活実態・利用実態調査(U&A調査)」では、調べたい商材やニーズに関する行動、態度、意識、考え方などの情報を、代替商品や競合などを含め、広く、たくさんの人から収集します。商品開発の方向性やマーケティング戦略立案などの基本資料とし、仮説づくりにも役立ちます。商品ローンチ後のニーズ、商品・サービスの使い方、ユーザ意識・行動などの変化を定点観測する目的にもよく使われます。

ここまで予算が取れない、という場合は無料で公開している調査データもたくさんありますので、そこから類推するというやり方もよく使われます。

<ケース3>
立てた仮説について、どのくらい反応があるのかを検証して、意思決定したい

自ら立てた仮説に対し、どのくらいの人がどのような反応するのか、どのくらいの強さで反応するのか。仮説の確からしさを量で検証するためには、【定量調査】を使います。

ネット上で十分理解・回答できるような内容ならネット調査で十分です。が、実際に見てみる、使ってみる、触ってみる、食べてみる等のアクションが伴わないと正確な情報が取れない場合は、CLT(会場調査)を使います。一定期間、生活環境上で使ってもらいたい場合などは、HUT(ホームユーステスト)という手法もあります。

<ケース4>
定量調査で検証した仮説について、具体的な意識、考えなどの背景を知りたい

立てた仮説について定量調査で検証を行い、反応した人の量や強さなどはわかったが、その反応について具体的な理由や背景等の詳細を深堀したい。こういうケースもあります。

このような場合は、<ケース1>同様、【定性調査】を行います。掘り下げたいポイントがある程度絞り込めているため、広くというよりも、一人一人に深く深層心理やそのときの状況を掘り下げるパーソナルインタビューが適しています。もちろん、グループでの化学反応なども含めてみていきたい場合など、グループインタビューの実施も可能です。

目的に適した《調査企画・設計》でマーケティングに活かせるデータを

今回ご紹介したのは、ほんの一例ですが、このように調査・リサーチは目的によって、さまざまな使い方ができます。そのため、サンプリング、設問設計などの調査企画が《目的》からズレていると、せっかくの費用も労力も台無しに、そして何よりも、マーケティング活動に生かせなくなってしまいます。

「どのような情報を得るのか」「取得した情報をどのように生かすのか」を十分に検討し、ぜひ《マーケティングアクションに繋がるデータ》の入手にチャレンジしてみてください。

また、ベンチャーや中小企業の皆さん、「リサーチを活用したいけど、予算がないからできない」とあきらめていませんか。

冒頭でも触れたとおり、最近は、月額数千円で実施できるセルフリサーチや、ネット上で商品やサービスに対して消費者から意見を収集できる掲示板的なサービスなど、低額で実施できる様々な方法がいろいろあります。

本格的リサーチの100%代替にはならずとも、調査企画・調査設計がしっかりしていれば、仮説構築や意思決定のサポートには十分なり得るものもあります。こういった代替サービスも性質を理解したうえで、上手に活用してみてはいかがでしょうか。ユーザの声や市場のデータを元に納得のいく、効率の良いマーケティングの一歩を踏み出せればと思います。今まで見えなかった新しい発見に出会えます。


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